飛行機が自宅に墜落してきた時、保険は使える?
先日、飛行機が住宅に墜落するという痛ましい事故がありました。亡くなられた方に謹んでご冥福をお祈りします。少しでも事故から教訓が得られないかと思い、記事を書いてみます。このような場合、保険は使えるのでしょうか?
答えは「使えます」。自宅の建物や家財の被害は「火災保険」。自動車の被害は「自動車保険」、人的被害は「傷害保険」で補償されます。
まず自宅の建物や家財(家具や電化製品など家の中の財産)は火災保険で「物体の落下・飛来・衝突など」により被害を受けた場合、被害額を保険金として補償してくれます。また自動車の被害は、「車両保険」をつけている場合、補償されます(車両保険の補償範囲を限定し、保険料を安くしている場合は補償されない場合があります)。人的被害については「傷害保険」で補償されますし、死亡や入院の場合、「生命保険」「医療保険」が使えます。
※自動車保険によっては「電車や自転車、飛行機などの交通乗用具」と接触して怪我をした場合に「人身傷害保険」というオプションサービスで補償されることもあるようですが、多くの保険会社はこのオプションをやめているようです。
なお今回のようなケースでは、大前提として墜落した飛行機側の人や運営会社が加入している保険でまず補償されるということです。飛行機のようなリスクが高い乗り物に対しては、持ち主はまず保険に加入していると思いますので、飛行機側が賠償保険という相手に与えた被害を補償する保険を使って、対応してくれるはずです。
ただし、補償額が確定するのに時間がかかったり、スムーズに対応してくれない、などの不安もありますので、もしこのような事故に巻き込まれた場合、相手との交渉だけでなく、自分が加入している保険会社や代理店に相談してもいいと思います。状況によっては相手方との交渉も手伝ってくれるかもしれません。
特にこういう時に頼りになるのは「代理店」です。保険会社は法律的な縛りが多く、融通が効かないこともしばしですし、そもそも商品ごとに異なる保険会社に加入している場合、どこに相談していいかも厄介ですが、優秀な代理店は加入している商品に関係なく、裏でアドバイスをしてくれたり、専門家を紹介してくれたりと、万が一の時にコンシェルジュ的にサポートしてくれます。
自動車保険や火災保険を加入するときに「保険しかやっていない保険が本業の代理店」で加入すると、このような優秀な代理店にあたる可能性が高いです。自動車販売店や不動産会社ですと、やはり本業ではないので見劣りしてしまうかと思います。
ここが「保険の代理店」の不可解というか、問題だと思うところなのですが、代理店はアタリハズレが非常に大きいにも関わらず、どの代理店が「アタリ」なのかはネット上でも情報はほとんどなく、友人・知人のクチコミに頼るしかありません。「事故の時に親身になっていろいろサポートしてくれた」という評判があるような代理店と保険を契約するのがベターです。もし知り合いに保険会社の社員などがいれば、その社員から優秀な代理店を紹介してもらうのもいいと思います。
代理店によっては「万が一のサポートこそが代理店の存在意義」とプライドを持って全力でサポートしてくれるところもあれば、「事故が起きた時は、とにかく保険会社に直接連絡してください」と一切何もしないところもあります。これくらい、同じ保険代理店でもスタンスやサービスの違いがあるのです。
一方、保険会社は法律上の制限として「特定の代理店をえこひいきしてはNG」と国からクギを刺されています。ですのでおおっぴらに「この代理店は優秀」といえないのです。
極論、保険会社はどこも本質的は同じであり、また国の認可事業ですので「保険金はルールに従いきちんと払ってくれる」はずですが、加入している保険にかかわらず、事故の時に不安を和らげたり、いろいろなアドバイスをしてくれるのは代理店ですので、保険を選ぶときは「代理店を選ぶ」という視点が非常に大事だと個人的には感じてします。
ちなみにソニー損保などの通販型自動車保険の保険料が安いのは「代理店がいないから」が主な理由です。逆に言うと通販型と通販以外の代理店を介する保険会社(大手はほとんどこれ)との価格差は「代理店への報酬」ですので、代理店が困った時に頼りにならないのであれば、大手の保険会社と契約する意味がない、と言っても過言ではありません。
話が逸れましたが、このように飛行機の墜落といった莫大な被害をもらたす事故については、日本では様々な保険がかけられており、事故の被害について金銭的な問題はそれほど心配する必要はないと思います。ただ、あくまで金銭的な補償だけですので、このような事故を未然に防ぐことが、一番大事ですよね。今回の事故を教訓に、徹底した再発防止が図られることを祈りたいと思います。