自動運転車が事故を起こしたら、自動車保険は使えるの？
最近、日産の永ちゃん（矢沢永吉）CMがかっこいいと話題になっていますが、その中でもインパクトがあるのは手ぶらで運転する「自動運転車」だと思います。GoogleなどIT企業も開発しており、海外では実際に公道を走っているそうです。
ではもし自動運転車が事故を起こしたら、自動車保険はどうなるのでしょうか？そもそも使えるのでしょうか？
答えは「現時点では、自動運転でない車が事故を起こした場合と同じ扱いです」。今の法律では、自動車は必ずドライバーの責任で運転をする必要があります（当たり前ですねｗ）。この法律が変わらない限り、自動運転車による事故でもドライバーの責任が問われます。
ただし現実問題として、自動運転車が公式に発売される時に「事故を起こしたらあなたの責任になります。」となったら、買いますか？業務上過失致死罪など、刑法に絡む事故が起きてしまった場合、ドライバーは何もしていないのに犯罪者になってしまいます。そうなると、当然誰も買わないですよね？
ですので、現在世界中で自動運転車に関するルールについて、議論が交わされている状況です。まだどうなるかわかりませんが、おそらくドライバーがルール通りに自動運転車を使用していたら、ドライバーの責任は問われない、ということになるかと思います。そうしないと自動運転車は普及しませんが、普及したら事故の削減や渋滞軽減などによる環境への負荷軽減など、社会全体にとって有益なことが多くあるのは世界で認識されていますので、英知を結集してなんとかするでしょう。
自動運転が普及すると、事故が減りますので保険会社は儲かりそうですが、実はそうではなく、事故の被害総額が減れば当然、お客様からもらえる保険料も減っていきます。保険会社の主力商品は自動車保険ですので、保険会社にとっては大変な時代がやってくる、と言ってもいいと思います。まあ給与水準が高い業界ですから、そのくらいの逆境は努力で乗り越えてね、と思ってます（笑）。
なお、自動運転車を開発する際、様々なシーンでコンピュータに「どういう判断をさせるか？」をインプットするのは人間の仕事です。ではある危機的な状況の中で、「左に行けば1人が亡くなる可能性が高い」「右に行けば3人が亡くなる可能性が高い」という選択を迫られた場合、皆さんならどちらを選ぶか、コンピュータにインプットしますか？
おそらく「左に行く」ことをインプットすると思います。
では、実際そのような状況が発生してしまい、予想通り3人が助かり、1人が亡くなってしまった時、その1人があなたの家族だったら、、、、どうしますか？
そんな「正義」や「道徳」の領域に踏み込む判断をコンピュータにインプットする仕事だけは、私は関わりたくないですね。。