ドローンが墜落し、物を壊したら保険は使える?
最近、ドローンの操作ミスなどにより歴史ある建物に被害を与えてしまうといった事件が相次いでいます。
ではドローンの操作を誤って墜落させ、他人の物を壊してしまったり、怪我をさせてしまった場合に保険は使えるのでしょうか?
答えは個人賠償責任保険が使えます。個人賠償責任保険は単独よりも、自動車保険や火災保険の「特約(オプション)」として加入している場合が多いので、心当たりがなくても契約内容を確認してみましょう。
ドローンの故障が原因で墜落した場合、メーカー側に責任を問えますが、故障して墜落したことを証明するのは実際問題、困難だと思います。ドローン自体、様々な要因で簡単に墜落するものですので、故障が原因と特定するのは難しいでしょう。
また仕事のためにドローンを操作していた場合は、個人賠償責任保険の対象外ですので注意が必要です。個人賠償責任保険はあくまで「個人の日常生活で生じた法律的な損害賠償責任」を補償するものですので、仕事でドローンを利用する場合、会社や雇用主に保険の加入状況を確認してください。イベントなどで個人的にドローンを飛ばす場合でも、撮影した映像をビジネス的に利用するのであれば「仕事」として判定される可能性もありますので、注意が必要です。
なお当然ですが「故意」に損害を発生させた場合は補償されません。逆に撮影禁止区域で空撮を行うなど違法行為が存在した場合は、被害者の救済の観点から補償されることが多いようです。ただし保険加入時の「告知事項」「通知事項」で申告した内容と齟齬があれば、保険が使えないこともありますので、違法行為があった場合、保険は当然使えない、と思ったほうが健全だと思います。
いずれにせよ、ドローンは現時点ではまだ欠点も多く、非常に危険なもの、という認識を持つべきです。保険会社もようやくドローンに対応した保険の商品化に着手し始めているという状況ですので、「個人賠償責任保険があれば大丈夫」という考えでは、思わぬ落とし穴に陥る恐れがありますので、十分気をつけてください。