こんな時、保険使える?

3分で保険金をゲットできる(?)シーン別攻略法

熱中症になった時、保険は使える?

      2015/08/05

熱中症にかかった時、保険は使える?

夏、もっとも身近なリスクと言えるのは「熱中症」ではないでしょう?以前は炎天下にスポーツを行っていると起きるもの、といったイメージがありましたが、現在はスポーツに限らず、普段の生活でも常に熱中症にかかる可能性があり、室内であっても注意が必要です。では熱中症にかかってしまった場合、保険は使えるのでしょうか?

答えは「傷害保険で使えないので注意が必要」です。熱中症はスポーツ中にかかるケースが多いため、傷害保険が使えそうなイメージがありますが、オプションサービスをつけていない場合、使えないのが一般的です。熱中症で入院した場合、医療保険は使えます。また傷害保険の一種である「スポーツ保険」は、熱中症でも使えるケースが多いようです。

傷害保険や自動車保険など、いわゆる「損害保険系」は原則として「急に(急激)」「たまたま(偶発)」「自分の身体の外から(外来)」起きたケガや事故の場合に使えます。この「急激」「偶発」「外来」を保険の三要件と保険会社は定義しています。

例えば「転んでケガをした」場合は

  • 突然、段差などに足をつまづき(急激)
  • 本人は予期せずに、たまたま転び(偶発)
  • 身体の外部から加わった力(地面にぶつかったなど)によって、ケガをした(外来)

となり、三要件を満たすため損害保険は使えます。

熱中症はこの三要件に照らすと、急に起きるものではないので原則としては対象外になり、損害保険は使えないのです。ただし、熱中症もカバーする有料オプションをつけられる場合もあり、また「スポーツ保険」といった名前であれば、熱中症もカバーしている事が多いようです。

なお医療保険は「入院したこと」に対して使う保険ですので、入院すれば(最近は通院でも使えるものがありますが)、使えます。熱中症で死亡に至ってしまった場合、生命保険も使えます。医療保険、生命保険は「生命保険系」の商品であり、上述の「急激・偶発・外来」の「損害保険系の三要件」が必要ないのです。

「だったら生命保険系に入っておけばいいじゃん!」と思うかもしれませんが、生命保険系は一般的に「入院したら1日5000円支払う(医療保険)」「死亡したら3000万支払う(生命保険)」といったように、予め決められた金額を、もし不幸が起きた場合に支払うという商品です。

そのため、熱中症で入院し1日1万円費用がかかった場合でも、5000円しか支払われないため、すべてを保険で賄うことができない可能性があります。

一方、損害保険系は「ケガでかかった治療費を支払う」「相手に与えた損害を賠償する」など「実際にかかった費用」に対して保険金を支払う商品ですので、保険でカバーできる範囲が圧倒的に広いのです。

例えば自動車保険で一般的についている「人身傷害保険」という補償は「後遺障害」もカバーします。これは事故で「半身不随などの障害が残ってしまった場合、それによって失われた利益(逸失利益といいます)、例えば障害で働けなくなり、もらえるべきだった給料がもらえなくなった場合、それも補償してくれます。この場合、一生分の「失われた利益」を支払ってくれるため、場合によっては1億円などの高額になることもあります。

このように「生命保険系(生命保険、医療保険、がん保険など)」と「損害保険系(自動車保険、火災保険、傷害保険)」は保険の考え方が根本的に異なるため、どっちがお得といったものでなく、いずれも活用すべきものなのです。

話が逸れましたが、「保険が使えるかどうか?」の判断基準として「急に(急激)」「たまたま(偶発)」「自分の身体の外から(外来)」を覚えておくと、「この三要件に該当するから、自動車保険や火災保険、傷害保険が使えるかも」となんとなくイメージできますので、その場合は保険会社や代理店にまずは相談してみる、ということをすれば、うまく保険を活用できるのではないかと思います。

熱中症は残念ながら、損害保険系は使えない可能性がありますので、くれぐれも熱中症にかからないよう、こまめな水分補給などを心がけてくださいね。

<参考ページ>

オールアバウト「熱中症は病気・災害、どちらで保険金が支払われる?

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