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地震による被害で使える保険まとめ

      2016/04/21

熊本を中心とする地震の被害を受けられた方に、心よりお見舞い申し上げます。地震による被害について、被害の状況ごとにどのような保険が使えるのか、簡単ですがまとめてみました。

残念ながら自動車保険や火災保険などの「損害保険」は地震による被害については補償せず、地震保険のみが対応してくれる、というのが前提となっております。

とはいえ、特例であったり被害状況によっては「地震が原因でない」と言えるものもあるかもしれません。

ですので被害を受け、かつ地震保険に加入されていない方でも諦めず、できれば保険会社ではなく保険代理店に相談してみてください。

理由は保険会社は保険金を支払う側ですのでお役所的な対応をしがちですが、優秀な保険代理店であれば親身になって相談に乗ってくれ、場合によっては保険金の請求方法まで指示してくれることがあるからです。

また地震保険に加入されている方は、軽微な被害であっても請求してみてください。地震保険は国の制度ですので、各保険会社の懐は痛みません。そのため地震保険については顧客満足度向上のチャンスでもありますので、かなりお客様の立場になって積極的に保険金支払いに応じてくれる場合が多いようです。

なお大規模災害では、公的資金による救済制度はいろいろと存在するようです。
保険が使えなくても、公的救済制度である程度の生活再建の支援が受けられますので、落ち着かれましたら、お住まいの自治体にぜひ問合せてみてください。

少しでも生活再建の参考になれば幸いです。

地震で自宅の建物が被害を受けた

地震保険に加入しており、建物の被害が「主要構造部(柱、屋根、外壁、基礎等)に及ぶ場合は補償されます。内壁やフローリングなどの主要でない部分の被害は補償されません。

さらに主要構造部の被害であっても、そもそも地震保険は火災保険で設定している保険金額(家の価値)の最大50%までしか補償されません。地震で家が全壊しても、再建できるほどの保険金は貰えないのです!詳しくはこちらの記事をご参照ください。

また地震保険自体は「全損(家の価値の50%)」「半損(家の価値の25%)」「一部損(家の価値の2.5%)」の3つしか損害の判定パターンがないため、どの判定をされるかによってもらえる保険金の額が大きく異なりますのでご注意ください。

なお火災保険では「地震が原因で発生した火災で建物が半焼以上」の場合に、保険金額の5%を支払ってくれる場合があります。

逆に「地震が原因で発生した火災」ではないのであれば、通常の火災として最大で保険金額の100%支払われます。

そのため火災に遭ってしまった時、地震が原因か否かが非常に重要ですので、まずは保険代理店に相談してみましょう。保険代理店が頼りないのであれば、他の保険代理店を探してでも、信頼できる人に相談したほうがいいと思います。もらえる保険金が全く異なる可能性がありますので。

地震で自宅の門、フェンス、カーポートなどが被害を受けた

残念ながら地震保険は「建物の主要構造部」のみ補償の対象となりますので、門やフェンス、カーポートの被害は補償されません。

火災保険でも補償されません。詳しくはこちら

地震で家具や電化製品、貴重品などが壊れた

地震保険で補償の対象を「建物」だけなく「家財」も含めて契約している場合、補償されます。

なお火災保険では「家財」を補償対象にしていても、残念ながら補償されません。

地震で自動車が故障した、使いものにならなくなった

残念ながら自動車保険で「車両保険」を契約していても、地震による被害は補償されません。

ただし東日本大震災の教訓を踏まえ、自動車保険では特約(つまり有料のオプションサービス)で、津波や地震により自動車に被害が生じた時に補償してくれる商品を、一部の保険会社では販売しています。もし特約に加入していれば、補償されるはずです。よくわからない場合は、契約した保険代理店に聞いてみましょう。

地震で怪我をした、通院・入院した

台風や洪水などによる怪我であれば傷害保険や自動車保険の「人身傷害保険(自動車搭乗時の怪我であれば)」などが使えますが、残念ながら地震(及び噴火、津波)の場合は補償の対象外です。

なお入院した場合や、亡くなってしまった場合、医療保険や生命保険の出番となりますが、おそらく保険が使える可能性は高いと思います。

「おそらく」としているのはルール上「地震などの大災害では保険会社は保障しなくてもいい」という項目があるためですが、あの東日本大震災でもこのルールは「適用しません」、つまり「保障します」という結果になっていますので、保障してくれる可能性は高いと思います。(ちなみに自動車保険や火災保険などの「損害保険」は「補償」、医療保険や生命保険は「保障」という字を使います。)

またお子さんが怪我をした場合、学資保険が使えることもありますので、加入している人は契約内容を確認してみてください。もし子供向けの携帯電話(キッズケータイなど)を利用している場合、契約時に子供向けの保険に加入している可能性もあります。こちらも携帯電話会社に確認してみてください。

 

地震でペットが怪我をした、通院・入院した

ペット保険も、地震(及び噴火・津波)が原因の被害については残念ながら使えないようです。

以上、被害に遭われた方が一日も早く普段の生活に戻れるようお祈りしております。

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